まちナビ実験へのコメント(1) PUSH型よりPULL型が
今回のまちナビ実験に参加された皆さんからコメントや批評が寄せられています。メールやブログでの発信が中心です。ご本人の了解をえて、このページで紹介をしていきます。
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今回の函館のまちナビ実験について私見を申し上げます。今後の改善策などの参考になれば幸いです。
(注:本コメントの筆者、山田氏は国交省の「まちめぐりナビ委員会」の視察団の事務局の一員として10月28日に今回の実験に参加されました。下記の意見は事務局としての見解ではなくあくまで個人の見解です)
1.プッシュ型の情報提供について
ICカードをCPにかざす事がトリガーとなり、プッシュ型の情報提供を行っているわけですが、実際に使ってみての感想は、「必ずしもプッシュ型である必要はないのではないか」というものです。
もちろん、コンテンツにもよる訳ですが、観光客の観光地での行動を考えると、プル型の方がしっくりくるように思います。観光地で情報を探すのは、カフェなどで休んでいるときとか、前日のホテルの中、交通機関の中などのアイドリング的な時間だと思うのです。もしくは、緊急時ですね。トイレに行きたいとか、怪我したとか。
具体的には、CPで、来訪履歴を蓄積しておいてもらいつつ、カフェなどで休んでいるときに、「さて、次はどこに行こう」と思ってプルするといった感じです。
その際、行ったところは外されているなどすれば、パーソナライズされた情報を主体的に得る事が出来ます。
2.チェックポイントと情報提供の分離
そう考えると、チェックポイントの整備と、情報提供というのは、必ずしも一体で考えないで、行動履歴の収集としてのチェックポイントと、メールやWEBを使った情報提供というのは、分離して考えても良いのではないか。と思います。
こうしておくと、チェックポイントとコンテンツを分離できますから、チェックポイントだけを先行的に複数箇所に設置しつつ、その蓄積された行動履歴から、必要となるコンテンツを考えていく。ということも出来ると思います。
...コンテンツは、作った時点から陳腐化していきますから、先にコンテンツをたくさん作って保存しておく。というのは、難しいのではないか。と考えます。
3.チェックポイントを回らせる仕組み
今回、チェックポイントを回らせる仕組みとして、懸賞品をつけていましたが、一つ思ったのは、こうした履歴を自分でも参照できる様に出来ないか。ということです。
私が、函館を訪れたのは5年ぶり、5回目ですが、大まかな地理配置や施設構成は覚えているものの、ディティールは曖昧です。特に前回は、小島さん(注:観光ボランティアガイド)にかなりディープに案内してもらっていても、記憶は曖昧です。(そもそも、5年前であったという事自体が、記録を読み返さないと思い出せないくらいです)
チェックポイントが、もう少し、きめ細かくなって、手軽に使える様になると、観光客が自分自身の足跡を函館のまちに記録していくことができると思います。
そして、WEBで、その足跡を見返す事が出来たら、函館旅行の思い出をかなり強く刻み込むことが出来るのではないか。と考えます。さらに、数ヶ月後、数年後に自分が来訪した場所の四季の変化、経年変化がたどれると、「こんな顔もあるのだ」とか「こんな季節もあるのだ」ということを知る事が出来、懐かしさを呼び、再訪意向を高める事にもつなげられるのではないか。と思います。
4.グローバルサービスとの親和性
もう一つ。ユビキタス的に情報を参照していこうとした場合、観光客にとって、それが自然なツールである必要性を感じています。
特に、(現状の)携帯電話は文字数などの制約が強いですから、一般のWEBのようなわかりやすさ、追加勝手の良さがありません。
グーグルマップをはじめとする、グローバルサービスがGIS、地域情報への取り組みを強化していること、また、観光客の多くが都市住民であることを考えると、観光地での情報提供においても、日常的な都市生活の中で利用している媒体、ツールと高い親和性を持つ事が求められるのではないでしょうか。
その意味で、ある地域だけのシステム。というのではなく、つなぎ目がないようにしてあげる必要があるのかな。とは感じています。
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財団法人日本交通公社 研究調査部
主任研究員 山田 雄一
(明海大学不動産学部 非常勤講師)
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